【柑橘図鑑】バレンシアオレンジ

投稿日:2026年7月20日 更新日:農園ブログ

夏に食べられる、数少ない国産オレンジです。

スーパーでオレンジといえば通年並んでいますが、そのほとんどは輸入品です。国産のバレンシアオレンジが出回るのは初夏から夏にかけてのごく短い期間だけ。今回は和歌山県産のバレンシアオレンジについて、味わいと食べ方をご紹介します。

味わい

甘み★★★☆☆
酸味★★★★☆
果汁の多さ★★★★★
香りの強さ★★★★☆

※柑橘の中での比較です。温州みかん(完熟)を甘み★4としています。

味の濃さ(池田評価)★★★★☆

数字の甘さは控えめですが、酸と香りが強いぶん、味に奥行きがあります。飲み込んだあとに口の中へ残る余韻が、この品種のいちばんの持ち味だと思っています。

甘いだけの柑橘は、一口目はおいしい。けれど二口目に手が伸びるかというと、そうでもありません。後を引かせているのは、実は酸のほうです。バレンシアオレンジは、その酸の役割がよく分かる品種だと思います。

園主・池田が実際に食べて付けています。

基本情報

分類オレンジ類
産地和歌山県
食べ頃・出回り6月下旬〜8月上旬
ほぼなし(まれに数個入ることがあります)
手でむけるかむきにくい(ナイフをおすすめします)
薄皮ごと食べられます
大きさの目安1個 約200g
保存冷暗所で2週間ほど

夏に「緑色に戻る」オレンジ

バレンシアオレンジには、ほかの柑橘にはあまり見られない特徴があります。

春にいったんきれいなオレンジ色に色づいた果皮が、気温が上がるにつれて、また緑がかってくるのです。回青現象(かいせいげんしょう)と呼ばれます。

見た目が青いと「まだ熟していないのでは」と思われるのですが、中身はしっかり完熟しています。むしろ暑くなってからのほうが味は乗ってきます。緑色のバレンシアオレンジを見かけたら、未熟なのではなく、夏を越えた証拠だと思ってください。

収穫まで、1年以上かかります

もうひとつ、この品種を語るうえで外せないのが栽培期間の長さです。

花が咲くのは前の年の春。そこから実をつけたまま夏を越し、秋を越し、冬を越して、ようやく翌年の初夏に収穫を迎えます。木の上で年を越すわけです。

多くの柑橘が数か月で収穫にたどり着くことを考えると、かなり異例の長さです。国産のバレンシアオレンジが少ないのは、この手間と、その間の台風や寒さのリスクを抱え続けなければならないことが大きな理由になっています。

おいしい食べ方

スマイルカット

くし形に切り分ける、いちばんシンプルな方法です。皮が手ではむきにくい品種なので、ナイフで切ってしまうのが早くて確実。口元が笑った形に見えることからこの名前がついています。

半分に切ってスプーン

果汁がとても多い品種なので、半割りにしてスプーンですくうと、こぼさずに味わえます。お子さんにも食べやすい形です。

生搾りジュース

いちばんおすすめしたい食べ方です。果汁の多さは柑橘の中でもトップクラスで、1個からでもコップ1杯近く搾れます。市販のオレンジジュースとは香りがまったく違うので、ぜひ一度試していただきたいところです。

柑橘の旬は、冬から初夏にかけてに集中しています。私たちがお届けする品種も、その多くはこの時期のものです。ひと通りの柑橘が終わったあと、真夏に食べていただけるものとなると、本当に限られます。バレンシアオレンジは、暑い盛りに楽しんでいただける貴重な一品です。